2014-09-09 タイセキを終えて、と、これから

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書こう書こうと思いつつ、あまりにも書くことが多いので、なかなか手をつけられず、9月も1週間すぎてしまいました。
といっても、まだ終わってから2週間しか経っていなくて、すごく昔なかんじがするのは、わたしだけじゃない気がする。
早くも、市村家の人と、家に住み着くものたちに会いたいです。
すこし、ツイッターにも書いたりしていたんですけど、
何日か、片付けやら、いろいろで、一人であの家にいる日があったりしたんですけど、
昨日の日中、すごく静かで、急に寂しくなって、終わったなあ、と、そこでやっと思いました。
終わってからも、毎日ばたばたしていたので、落ち着いていなかっただけかもしれないけど・・・
家プロジェクトは、わたしが「劇場で稽古したい」「もっと長く本番をやりたい」と思ったことからスタートしているのですが、
(案外「家でやりたい」から始まったわけではないんです)
そのどちらもかなった形になりました。
それから家プロジェクトを立ち上げ、その時点でやりたいと思ったことも、ある程度達成することができました。
スタッフメンバー・キャストさんお疲れさまです。協力してくださった方々ありがとうございました!と声を大にして言いたいし、言っています。
(素敵な家に出会えたこと、出会わせてくださった不動産屋さんに大感謝です・・・)
このプロジェクトで改めて、すごいなと思ったりするのは、
今回の動員は430人ほどだったのですが、
とにかく、「あの街のあの家」に、430人くらいの人が1ヶ月半で訪れたということ。
あの家は築50年くらいの家だけど、たぶん50年足しても、そんなに人が訪れることってなかなか無いと思うから・・・
そして、あの街に演劇を出現させたこと。
演劇をする場所が用意されていないところに、演劇があらわれたということがちょっと劇的なことだったなあと思います。
劇的と言えば、わたしはあの街自体が結構演劇みたいな街だなあと行くたびに思うのですが、
それは、最初からそれが分かってて、選んだということではなくて、
じわじわと分かってきた、という感じでした。
人と人とのつながりが、とてもあって、毎日ドラマが家の中から、路地にまであふれている、感じがする。
「タイセキ」の中にも出て来たように、北砂周辺は、不燃化特区に指定されている街で、
「家事が起きたときに一気に燃え広がる可能性がある地域なので、不燃化しましょう」
ということなのですが、
つまり家と家の距離がものすごく近い。
家の生活音も筒抜けになってしまったりする街で。
そんな地域の家で、演劇を行えてしまったことにもびっくりなのですが、
今思うと、だからこそ成立していたんだな、というふうに思います。
家プロジェクトは、近隣の方の理解がないと成立しなかったものでした。
そのような中で、
近所の方が毎日挨拶をしてくれたり、
近所の子供が稽古中に遊びにきたり、(押し入れですごい遊んでましたw)
お隣さんが、くだものやおかずのお裾分けをくれたり、
あたたかいご近所付き合いをしながら作品の製作・発表をできて、本当に有り難かったです。
これは制作に聞いた話なんですけど、
砂羽と家が、砂羽の部屋で、音楽に合わせて台詞の掛け合いをしていくシーンがあったのですが、
そのシーンの時に近所の家の子供が台詞を言う声が聞こえて来ていたらしくて、
たぶん、同じ時間に同じ言葉が聞こえるから、覚えて、一緒に言っていたみたいでした。
なんとも・・・
家プロジェクトに関しても、タイセキの内容(脚本・演出)に関しても、
新たな試みとして、挑戦したことがとても多かったので、いろいろ振り返りたいところですが、
あんまり長くなってもあれなので、
そのなかでも、追加公演合わせて36ステージという上演回数は、過去8ステージが最高回数だった贅沢貧乏にとって新しすぎて。
それをこなしてくれたキャストの方たちには頭があがらないというか、毎度新鮮に芝居をして、且つ進化していく姿に感動してました。
それから、今回の作品で「建築」の分野でメンバー加入して、美術を担当した渡辺瑞帆が美術の分野に収まらない働きを見せ、
中身と外身、というか、内容と装置が密接に結びついていたことが、面白かったことでした。
装置があって、動きが生まれるというか、動きを生むために装置を作り上げたというか。
これは今までの作品でも意識していたことでもあったのですが、
文脈にはいりこんでくる、感じが強くて、楽しかったです。
これから、一緒に生み出していくものが楽しみです。
そして、実は、もう一人メンバーが加入することになっていまして、
もう活動自体は一緒に始まっているんですが、その情報解禁もまもなくあります。
今までのメンバーと合わさり、贅沢貧乏は第二期に突入した、という感じがしています。
乞うご期待です。
さて、家プロジェクトの行く末を気にして頂いている方もいるようで、
そのあたりは、また近日中に何か発表できると思うので、しばしおまちください。
実は直近で、10月の前半に、あの家でわたしの知り合いのアーティストさんがある企画を行います。
ちょっと変わった企画かもしれなです。
わたしは、その企画自体には、劇場でいう、「小屋主」(家主?)みたいな
ちょっとした芸術監督のようなポジションで関わっています。
アーティストさんのやりたいことに合わせて協力したり。
その情報解禁も、明日あさってにはできそうなので、どうぞおたのしみに!
ヤマダは、今日はワークショップ最終日!あの家で、参加者のみなさんと、濃い演劇時間を過ごしています。
演劇はむずかしくて、本当に面白いです。
あ、過去作品のギャラリーに、タイセキ追加しました。
渡辺翔太撮影の舞台写真も載せておりますので、ごらんください。
http://zeitakubinbou.com/vol-5taiseki/ ‎
また、近々更新します。
ではでは。
やまだゆり