2017-10-02 「フィクション・シティー」終わりました。

『フィクション・シティー』おわりました。
ご来場頂いたたくさんの皆様ありがとうございました。

打ち上げは今朝までつづいて、
夜から朝にかけて、
本番どうだった、小屋入りのときどうだった、稽古のときどうだった、と遡って話して
なんの実感のないまま終わるかなと思ったけど、やっぱりちゃんとつくってやってきたなというふうには思えたのでした。

打ち上げでは、ほとんどの人がフィクション・シティーTシャツをきてたんだけど、
帰りにメンバー四人くらいになって電車に乗ってる時に、
始発の電車でお揃いのTシャツきてるわたしたちがとても場違いな気がして、
違う場所に行くきがして、
フィクション・シティーは終わり、違う日々が始まるのだなぁ
とおもった。

執筆から稽古から本番は、たぶん4〜5ヶ月長いたたかいであった

朝、家への道で
朝焼けの薄暗い住宅街はすごく静かで
でも鳥が異様に鳴いてて、
人はほとんどいなくて、早起きすぎるおじいちゃんが連れてる犬だけめっちゃ元気だった

それから、家の前に並べられた鉢植えの植物や、コンクリートの隙間から生えている草は朝焼けの光を受けてすっごい鮮やかに見えて
人間のいない時間は、人間以外はこんなにきれいに生きているのかと思ったりした

寝て起きたら、自分の部屋でどこだか一瞬分からなくて、今日がなんなのかよく分からなくて、あれあれとおもったけど、
わたしは明日の仕事のために髪に入れた金メッシュを染めに美容院にいった。

お客さんに、わたしが本編に出てなかったって言われたけど、わたしはギャルの奥田の上司の役ででていました。役者としては気づかれないのは嬉しいことだと思うのだけど。

夕方の街はいつも通り動いてて、わたしは久々に余裕を持って街を見た。

新しい靴を買った。
渋谷に着いたら、ツタヤの前でミュージシャンたちがエドシーランの曲をアレンジして演奏して歌ってた
周りにたくさん人がいた
雨が降ってきて傘がなかったから、スペイン坂のキャンドゥで100円のビニール傘を買った。
キャンドゥの店員おじさんが超丁寧に接客してくれて、わたしはありがとうございますっていった。
雨が降って土の匂いがしてた渋谷。
パルコがなくなってた。

パルコはなくなって、あたらしいパルコになるし、
100円の傘は、いつかなくしちゃうかもしれない、
フィクション・シティーのあの舞台はものの数時間で何もない素舞台に戻って、
今日か明日から柴さんが新しい作品をあそこでつくる。

フィクション・シティーはあとかたもなくなって、
ペットボトルのオブジェたちはただのゴミになって捨てられた。
わたしたちはふざけて、「みんな、綺麗だったよ」と、ゴミに声をかけてゴミ箱に蓋をした。

たぶんまた、再演するとおもう。
またなんもない舞台に、
フィクション・シティーをつくるとおもう。
毎公演おわったら、まっさらにして次の公演を新しく始めたように。
すこししたらまたやるとおもう。

まだわたしもあの作品がなんなのかよくわからないから、
わかるまでは少なくともやりたい。
やったからってわかるのかもよくわからない。

二週間後には、贅沢貧乏は「みんなよるがこわい」の再演で中国にいきます。
休んでる暇はないなぁ。

11月のシンラのイベントでもやるから、よければみにきてくださいね。

山田由梨